会社員が定年退職すると退職金をもらうことが多いと思います。ひと昔前ですと退職金で住宅ローンを完済して、年金で悠々自適に暮らしていくという絵を描くことできました。現在はなかなかそのような絵を描くことは難しいというのが現実です。会社員にとって大切な退職金の使い方について最低限考えておきたい5つのことを紹介します。

1.退職金の使用目的

 ある投信会社の調査によると退職金の使用目的の一番は定年後の生活費で52.2%、以下ローン・負債の返済が20.8%、住宅や車が8.8%、万一の備えが7.4%、趣味が5.6%などとなっています。旅行なども多いように思いますが、これは趣味などに包含されているのでしょうか。結果から皆さん老後の日々の生活に不安を感じており、退職金はそれに備えておくことを意識している人が多いということが読み取れます。退職金は老後の生活における大切なお金ということです。

 

2.まずは落ち着いて

 会社員として退職金は一度に手にする金額としては大きなものになります。その金額の多さゆえ、どうすればよいのか戸惑うとともに気が大きくなってしまいがちです。まずは一旦落ち着いて退職金を含めご自身の資産、負債の状況がどうなっているのか把握しましょう。老後に向かうこれからの生活費を把握し、生活費以外に必要となる支出を洗い出し、必要なお金の準備ができているか確認していきましょう。そのうえで退職金をどう使うのかを考えましょう。

 

3.住宅ローンは安易に返済しない

 住宅ローンの残高は確認しておきます。残金の全額を返済できるのは退職金も含めて資産が十分あって老後の生活のお金の目途がたっている場合にしましょう。一部の繰り上げ返済も同様、生活の目途がたつ範囲で考えましょう。また、住宅ローンの団体信用保険がかけられているかどうかを確認しておきます。万一ご自身が死亡した場合、この保険が適用され、以後の住宅ローンの支払いの必要はなくなります。退職金は定年後の生活を支える大切なお金ですので、住宅ローンを返済したがために生活ができなくなっては本末転倒です。

 

4.散在を控える

 退職金という大きな金額を手にするとなかには車を買い替えたり、豪華な海外旅行に行ったりと多くの散在をしてしまう方もいます。今までなかなかお金を使えなかったのでこの機会にという気持ちはわからなくはないのですが、一度に大きな金額を支出してしまうと退職金もあっという間になくなり、いざ必要なときにお金がないという状況になりかねません。散在は控え、計画的に使用することが肝要です。

 

5.運用をする前に

 退職金を元手に運用して少しでも老後の資金を増やしていきたいと思う方も多いでしょう。老後が長くなるこれからの時代に備えてお金を増やしていくことは賢明な考えだと思います。しかし、退職金を目当てに様々な勧誘があっても安易にのらないでください。欲がでて安易に儲け話に乗ると大打撃を受けかねません。

 実際に運用に着手をする前に、運用に関する書籍を何冊か読んだり、セミナーを幾つか受講したりして勉強してみることをお勧めします。ある程度運用についての知識を習得してから年率何%くらいの運用益を目指していくのか、そのためにどのような商品に投資していくのかじっくりと考えていきましょう。また、自分で運用していくことに不安な方や自信がない方などはロボアドバイザーという最新の運用手法もありますので、検討してみてはいかがでしょうか。

 

 退職金は受け取る金額や受け取り方などひとそれぞれです。また退職金以外の資産の保有状況もひとそれぞれです。退職金の使い方も百人百様だと思います。老後の生活をよりよき充実したものにするために、退職金は有意義に計画的に使うようにしていきましょう。

 

執筆:真鍋 泰(ファイナンシャルプランナー)