リバースモーゲージは老後資金を確保するために、
自宅を担保にしてお金を借りる仕組みです。

 

家を買うときに借りる住宅ローンでは、
借りた当初の借入残高が一番多く、
毎月返済を繰り返すことで徐々に残高が減り、
35年かけて借りたお金を全部返済する仕組みになっています。

 

リバースモーゲージってどんな商品?

 

リバースモーゲージは住宅ローンと異なり、
必要に応じて都度お金を借りることで、
徐々に借入残高が増えていく仕組みです。

 

借り入れが増えたらどうやって返済するの?
と疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

 

一般的には自宅を売却することで、
借入金を返済することになります。

 

ここで問題がいくつか生じます。

 

1.長生きをすることでリバースモーゲージを使っても資金が足りなくなる。

 

長生きリスクという言葉があります。長生きはリスクではないと言う方もいます。
ここでのリスクとは経済的負担の事ですが、100年ある人生では老後が40年あります。

 

40年という長期にわたり、生活以外にも病気、介護、自宅のメンテナンスなど
色々な支出があります。長生きをするほど支出の総額も増えるため、
リバースモーゲージを使っても結局お金が足りなくなるという可能性があります。

 

リバースモーゲージで借りられる金額は、自宅の評価と連動しますので、
自宅の評価次第では、思っていた金額が借りられないということになります。

 

2.自宅が当初の想定価格通りに売れない。

 

リバースモーゲージの借り入れは、自宅の評価をもとに計算します。
自宅の評価が下がった場合は、借入金額を評価に併せて減額される可能性があります。
場合によっては借入可能額が低くなったことで、当初借り入れとの差額を返済することを、
求められる場合があります。

 

リバースモーゲージの借主が亡くなった場合は、自宅を売却して借り入れを返済するというのが、
基本の仕組みですが、自宅が借入金額を返済できる価格に満たない場合はどうなるのでしょうか。
取扱い金融機関との個々の契約内容によりますが、自宅を処分すればそれ以上の返済は求められない場合もあります。

 

3.金利が変動するため、金利上昇時に支払う金利が増えてしまう。

 

借入期間中は金利分の支払いが発生します。
借入金利が変動タイプである場合は、借入金額が一定であっても、
金利が上昇した場合に、金利支払いが増えることになります。

 

リバースモーゲージの審査は年収で金利が払えるかというような、
収入に対して支払い力があるかで考えますので、
年金しか収入源のない高齢者には金利上昇による支払額アップはきついでしょう。

 

 

リバースモーゲージの借り入れ内容

 

 

リバースモーゲージは大きく分けて
1.目的別借入
2.使途自由借入
の2種類があります。

 

1.目的別借入

 

リフォーム、住宅ローン返済、介護施設への入所など、
借りたお金の使い道が決まっていて、かつ金額が大きい場合に利用されます。
借入可能額は100万円以上などと条件があります。

 

2.使途自由借入

 

カードタイプとも呼ばれ、日常生活など自由にお金を使うことができます。
一時期多額の引き出しが問題となったため、
一日の引き出し上限が決められるなど、当初と比べ制限があります。

 

この目的別と使途自由の借り入れに対して、
毎月の支払いは金利負担のみ。
元本の返済は死亡時に行うこととなります。

 

リバースモーゲージを活用する場合

 

当たり前と思うかもしれませんが、認知症になってしまうとリバースモーゲージは契約できません。
頭が健康であるうちでないとダメ、というのが大前提として存在ます。

 

生活資金の不足やリフォームなど元気なうちの利用ならいいのですが、
介護費用の負担などでは、自分が弱ってみないと思いが至らない可能性があります。
頭が元気なうちに介護用にリバースモーゲージを利用することを考えるかというと難しいでしょう。

 

ですから、本来使うべき人が使えていない可能性もあります。
最近は税金などの滞納に対して、リバースモーゲージを活用して、
滞納分を返済するような取り組みも行われているようです。

 

生活保護を受けるにも自宅を保有していれば申請が通りませんから、
まずは自宅を担保に生活資金を捻出するということも想定されます。

 

リバースモーゲージの利用条件

 

取扱い金融機関によって条件が異なりますが、
最大手の東京スター銀行の場合を想定して記載します。

 

まず
・55歳以上
・年収120万円以上(年金収入など)
という条件があります。

 

自宅を担保に借りる金額は500万円~1億円の間での利用が可能です。

 

借主の死亡時は、自宅を売却することが必須なわけではありません。
・残された配偶者が債務を引き継ぐ
・残された配偶者が死亡保険金などの自己資金で返済する
という方法も残されています。

 

債務を引き継ぐ場合は、配偶者の年収に対応する金額までの借り入れとなりますので、
当初の借り入れが多い場合は、差額を何らかの形で返済することになります。

 

死亡保険金については、マイナス金利の影響で支払保険料と死亡保険金の差が縮小していますので、
早目に準備をして、支払保険料と死亡保険金額の開きが出るような保険設計が必要となります。

 

自宅を処分する場合は、
・任意売却
・代物弁済
という方法があります。

 

任意売却は、競売ではなく自宅を不動産流通市場で売却することです。
簡単に言うと不動産会社に依頼して買主を探してもらうという事です。

 

代物弁済は、自宅を銀行に差し出してしまうことです。
物件の価格にかかわらず、それ以上の返済を求められることはありません。
ノンリコースローンという、物件を処分すれば終わるという仕組みとなっています。

 

同居人が居る場合は?

 

自宅を処分することにつながるリバースモーゲージは、
借主の死亡時に、同居の家族が追い出されてしまう可能性があります。

 

しかし、実際は手元のお金では足りないからリバースモーゲージを利用するわけです。
利用の際は、同居の方々の同意書を取り付けるため、
突然家を追い出されるという事はありません。

 

なんとなくイメージが先走ってしまうリバースモーゲージですが、
仕組みと利用方法がわかれば、老後資金の一手として大きな意味をもってくることは間違いありません。