地主・不動産オーナーあるある
地主・不動産オーナーにとってのあるあるとして有名なのは、
資産はたくさんあるのに預貯金が少ないというものがあります。
「少ないって言っても、一般人より多いでしょ?」
なんていうご指摘をいただきそうですが、
会社員が老後に備えて数千万円準備するのに対し、
ストックリッチな地主・不動産オーナーは手元に数百万円あるだけ、
ということもあります。
なぜそんなことが起こるかというと、
ハウスメーカーをはじめとする地主営業の方々が、
お金を借りさせて建物を建てるからに他なりません。
地主だから、不動産オーナーだから賃貸用の不動産を持つのは当たり前です。
家賃が主な収入源である一方、アパートローンの返済があるため、
毎月支払いに追われています。
築浅であれば、高い賃料で満室状態が続くかもしれません。
しかし10年、20年と経過すると空室期間が増えたり賃料が下がります。
家賃が少なくなってもローン返済は減りません。
それどころか、メンテナンスや大規模修繕で追加で資金を借りたりします。
他にも固定資産税の負担が大きかったり、収入が多い場合は所得税・住民税の負担もあります。
個人地主の場合は家賃が多ければ多いほど税金負担が大きくなります。
出ていくものがたくさんあるため、上手に資金収支を管理しないと、
お金が途絶えてしまうのです。
改善策は2つだけ
資金収支が悪い場合、つまり資金繰りが悪い場合も解決策は2つしかありません。
1つは売り上げを増やすこと。家賃を上げたり空室を減らすということです。
これは言うは易く行うは難し。そんなことができれば苦労しません。
ですから、一般的には管理を依頼している不動産管理会社は入居を増やす場合は、
家賃を下げましょうという話になりやすいです。
易きに流れるとはまさにこのこと。
最悪生活保護の受給者が入ればいい。そんな物件も日本にごまんとあります。
心とお金にゆとりがあれば、バリューアップと言いますか、
今どきの内装にしたり、ハイグレードに見えるように修繕するなどして、
家賃を上げるような動き方もできます。
家賃は安ければいいという人がいる一方で、
グレードの高い家に住みたいという人がいます。
どちらの人を顧客にしたいか考えるだけで、
その後の方向性がまるで違います。
安かろう悪かろう、家賃下げ競争を行うか。
高価格高品質で付加価値を上げるか。
これは地主・オーナーの意向に従うことになりますが、
腕のいい管理会社の場合は、修繕やバリューアップする際に、
費用対効果を一覧にして意思決定のお手伝いをしています。
2つ目は融資を管理すること。
具体的には借換です。
既存融資の借り換えは、提案する人が少ないというのが現状です。
何故かというと、誰の仕事でもないからです。
ハウスメーカーは立てるのが仕事、資金繰りが悪いならもう一棟建てましょう的な話になります。
銀行は最初に貸すのが仕事、他行への切り替えにつながるような話はしません。
不動産会社、管理会社はそもそも地主・オーナーの融資の情報をもっていません。
税理士はそもそも専門外の畑違い。資金繰りのアドバイスではなく税務計算がメイン業務です。
どうですか?誰もアドバイスをくれないですね。
実は、ここに地主・大家さんの弱点があるのです。
本来は、サポートするコンサルタントが税務だけでなく資金繰りにも精通している必要があります。
しかし、地主・オーナーがそのような外部コンサルタントにお金を払うケースは稀。
その結果、知らないまま何十年も経過して今日に至り、手元に資金がないということは多くあります。
資金繰りを改善するには、融資を見直すのがもっとも手っ取り早い方法です。
最近はマイナス金利の影響でローン金利も下がっていますので、金利を下げるのは比較的容易です。
しかし、金利だけでは資金繰りは改善しません。
借り入れの残る期間を増やすような借り換えをするのです。
残り5年ローンなら10年~15年ローンとなりますし、
残10年なら15年~30年まで返済期間を延長することができます。
ローンを借り換えて、資金繰りを改善すると驚くほど資金が手元に貯まっていきます。
単純に返済期間が倍になれば、返済額は半分になります。
手元に残った資金は、生活のゆとりの他にも、生前贈与、相続税対策、遺産分割対策など、
いろいろな手が打てるようになるでしょう。
手元に資金がたくさんあれば、相続税も支払えます。
物件を買い足してもいいわけです。
キャッシュが潤沢にあることで、選択の幅が増えます。
地主・オーナーにとっては上手に借り換えができれば、
いままでとは180度異なる生活が送れるかもしれません。
融資で大切なことは、金利より金額。
これを肝に銘じていただければ、
より上手な融資を受けることができるはずです。