介護には2つの方法
介護状態になった方のための介護サービスは、
大きく分けて在宅介護と施設介護の2種類があります。
どちらを選択するかで費用負担が大きく異なりますので、
頭に入れておくといざという時に慌てなくてすみます。
在宅介護の費用負担
保険を最大限活用した場合の自己負担額
要支援1 5,000円
要支援2 10,000円
要介護1 17,000円
要介護2 20,000円
要介護3 27,000円
要介護4 31,000円
要介護5 36,000円
となっております。
ただ、生命保険文化センターの発表によれば、
要介護3の方の自己負担は、保険外のサービス利用を含めて、
42,000円となっているため、同居や近居のご家族が、
介助の中心となる場合は、全額保険適用のサービスでの
介護が可能となりますが、
親族が近隣に居ない場合などは、
必然的に保険がサービスを購入することとなり、
支出が増えることとなります。
昔ながらの多世帯共生家族が、
もっとも費用負担が少なくてすむこととなり、
単身世帯が最も費用負担が重くなることにつながります。
施設介護の費用負担
1.介護老人福祉施設(ユニット型個室)
要介護1 19万円
要介護2 21万円
要介護3 23万円
要介護4 25万円に
要介護5 27万円
2.介護老人保健施設(ユニット型個室)
要介護1 23万円
要介護2 25万円
要介護3 26万円
要介護4 28万円
要介護5 30万円
3.介護療養型医療施設(ユニット型個室)
要介護1 23万円
要介護2 26万円
要介護3 33万円
要介護4 36万円
要介護5 38万円
いかがでしょうか?
在宅介護とは金額が一桁違います。
また個室とありますが、多床(個室以外)であっても、
費用負担はさほど変わりません。
介護施設に入所するのがどれほど負担になるかお分かりいただけると思います。
介護施設の利用料に備えるには
非常に高額になり、かつ期間が読めない介護費用の負担は、
経済的な重荷になり、かつ在宅介護の場合は身体的負担、心理的負担も大きく、
場合によっては事件が発生することもあります。
子どもに迷惑を掛けたくないという高齢者が多い一方で、
家族の支えなくして介護は成り立ちません。
少なくとも、介護に使える資金があれば、家族の負担を減らすことが可能です。
1.預貯金
高齢になっても老後が心配という笑えない話があります。
介護という未知の体験が不安を増幅させている可能性があります。
お金があればサービスを買うことができます。
お金がなければ自分たちで介助をすることとなります。
あなたなら自分が介護される側になったときにどう感じるでしょう?
あなたが介助する側になったときにどう感じるでしょう。
2.民間介護保険
最近は民間の保険会社が一定の要介護状態になったときに、
保険金を支払うタイプの民間介護保険がたくさんでてきました。
要介護1で保険金を支払う商品、
要介護2で保険金を支払う商品、
要介護3で保険金を支払う商品
要介護4、5で保険金を支払う商品
色々あります。
寝たきりになるより、少し介護が進んできた要介護1、2、3あたりが、
家族の負担が大きいのかもしれません。
介助する側のこころのゆとりを確保するためにも、
民間の介護保険祖上手に活用するとよいでしょう。
3.自宅の換金、収益化
施設に入所する場合など、高額の一時金が必要になることがあります。
そのような場合に、預金では足りなかったり、
預金を残しておきたい場合など、どのように対応すればいいのでしょうか?
その答えは自宅の換金、収益化です。
自宅をお金に変える3つの方法
自宅をお金に変える方法は3つしかありません。
1.貸す
自宅を貸して、自分は賃貸に住み替え、もしくは新居を購入します。
家を貸すことで、毎月家賃が入金されますので、
介護費用の一部を捻出することができるようになります。
注意点としては、自宅を貸す場合はリフォーム費用が高額になりますので、
リフォーム費用の資金準備も念頭においてください。
2.売る
自宅を売ることでまとまった資金を手にすることができます。
不動産会社を通じて家を売る、または不動産会社に買い取ってもらうことになります。
不動産を高く売る鉄則は、不動産会社を上手に活用すること。
高く売りたい場合は、コンペ形式を導入することができます。
早く売りたい場合は、不動産会社に買い取ってもらうことができます。
不動産を売却する場合は、駅からの立地の他にも、
擁壁の上に建っていないか(再建築時にコストが高くなるため評価が下がる)、
道路付けはどうかなど、様々な要素が関係します。
都心の一部以外は、買った金額以上の価格で売却できるとは、
考えない方がいいでしょう。
3.借りる
リバースモーゲージを活用することで、
自宅は売らずに資金を借りることができます。
リバースモーゲージはまだ利用件数が1万件に満たないようですが、
少しずつ浸透しています。
不動産評価の高い一都三県を中心とした利用が一般的であったり、
マンションよりも土地の価格が反映される戸建てでしか利用できない場合がある、
など制約もたくさんありますが、
施設入所の一時金立て替え、その後自宅を売却して精算するなど、
色々な利用が可能ですので、一度融資可能額を試算しておくといいでしょう。
家を高く売る方法
1.市場で時間をかけて売る
レインズという仕組みに掲載して、
一般のユーザーからの購入を待つ方法です。
最も一般的な不動産売買の方法ですが、
一度システムに掲載すると、時間がたてばたつほど売りづらくなり、
高値で売ることも困難となります。
時間が長期になると値下げ圧力も高まります。
売るという行為についても専門性のある不動産会社に
依頼することが肝心です。
2.短い期間で換金する
いつまでにまとまった資金が必要というようなケースに活用できます。
施設の入所や相続税の支払いなど、色々なニーズがあるでしょう。
早く売りたい場合は、不動産会社に買い取ってもらうしかありません。
値段はもっとも安くなりますが、時間を重視する場合は買取が選択肢です。
3.コンペで高値を求める
不動産は、人によって価値が変化します。
利用価値と言って、不動産会社によってもどのように活用するかの
アイデアによって価格は高くもなれば安くもなります。
後だしジャンケンで時間をかけるのではなく、
入札を導入して、最も高い会社に売却することで、
所有者にとって手取りが最も多くなります。
不動産会社のコンペには注意点がありますので、
信頼できる会社に仲立ちしてもらうことが安心につながります
認知症対策としての生命保険の活用方法
保険の名義変更による認知症対策プラン
少し資金にゆとりがある場合は、
介助する予定の人に資金を移転しておくといいでしょう。
認知症になったりすると、自分でお金の引き出しができません。
毎年贈与することも大切な対策ですが、
一時払や短期払いの終身保険などに加入したのち、
保険契約を贈与することで、満期のない使途自由のお金を作ることができます。
認知症対策プランとも称される方法ですが、
保険ショップや銀行で販売される仕組みではないので、
相続に詳しい専門家に相談しながら進める必要があります。
まとめ
いろいろな情報がありますが、
・まずは情報を知ること
・自分の場合はどうなのか考えること
・今後何を準備するか考えること
この3つが介護資金の準備に必要です。